炎と楽園のアート

友達

美術家 立花雪 YukiTachibana
美術家 立花雪 YukiTachibana

6月も最後となりこれから徐々に眩しい季節へ

 

私の母はリハビリを懸命にしています。

朝起きてから足を使い始め、間隔的に10分ほどすると

足が思うように上がらず、スタスタ歩行しずらい。以前のような歩行が出来ない…

苛立ちを感じながらそれを受け入れ生きる姿。

 

あくまでも本人の感覚(間隔)として話すことは

中々人には伝わりずらく

信じてもらえなかったりもします。

病気や老いの苦しみは自分、親しい人、家族が直接なって

初めて気づくことばかり。

 

15年以上前…頭部の手術をした母。

担当医に「死ぬから」と単刀直入に話された私。

手術同意書の際は

『この手術後おそらく死ぬから覚悟するように』と言われ

震える手を抑え名前を記入し印鑑を押したのを記憶しています。

2,3回繰り返されたこのやりとり…苦痛の他ありませんでした。

 

その後5度に及ぶ手術で植物状態、半身不随、その他

脳から受ける影響を大きく回避し過ごす事が出来たのは

とても稀で奇跡的な事だと聞きました。

 

 

ですが失ったのは『以前の母』

子供の様な雰囲気に大きく変化…

とてもショックでした。

受け入れるまで私も未熟で時間が必要でした。

私は「何もなかった」ように振る舞い

楽しそうにはしゃぎ、嬉しそうにニコニコ過ごす事で

泣くも笑うも一緒…そうやって苦しみを越えようと必死でした。

 

良く話し、楽しいと友達もたくさん出来ましたが

電話も住所もほとんど教えず深くは付き合いませんでした。

 

 

 

私が家を出て帰ると

怪我をし救急搬送など何度か起きました。

…仕方がないと言い聞かせる。

怪我もしょっちゅうでやっと過ごす日々。

母が一生懸命している事が空回りする現実…

いつも聞き役だった姉に私がたまらず愚痴をもらすと

 

『あの人はあの人なりに母親として私たちを思っているんだよ』

 

姉はそんな母を人間として変わりなく受け入れる器の広い人でした。

自分の気持ちを押し付けず徐々に相手を受け入れる。

欠点ばかり探す事より楽しく過ごそう。

どうしようもなくても大切な家族だから…

聞き役として温かく見守ってくれる人が居たことで生きやすかった。

 

神様は見たことないけど

あなたはとても優しかった

 

6月最後の30日姉の月命日。

あなたのような友達を持てたら私は嬉しい。

 

                            YukiTachibana