炎と楽園のアート

巡り合い

再生
再生

私が夢狂さんと出会ってからもう10数年経ちます。

時が経ち随分私も変化しました。

 

10数年前…家族に発生した大きな外傷性手術がきっかけで

疎遠に近かった東京の親戚と巡り合いました。

元々5歳位の時に養子の話を持ってきたそうですが

その後は疎遠となり離れた関係になっていました。

 

東京に行って心機一転しよう。

新しい家族と本物の家族になるんだ。

…不器用ながらも必死な日々…

義母になるはずだった人は

私の実の叔母で私の描く絵を好きだと褒めてくれたけど

時が経つうちに本当の目的は跡継ぎのことだけで

私の夢なんてこれっぽっちも想っていなかったと知った。

叔父も築いてきたものを引き継がせたいという願望が強かった。

 

でもどうにか家族になろうと私だけ必死だった。

会社の跡継ぎしか考えていなかった二人に

私の情なんて理解出来ないものだったに違いないし

私も二人が本当に望んでいる内容を

大人目線でようく考えるべきだった。

 

厳しいながらも山梨の別荘に行ったとき

叔母が飛んできた遠くのトンボを指して

『お父さんが見てるよ、頑張れ』そうやって励ましてもくれた…

そんな叔母の姿が真実だったのか、今はもう知ることもない。

ただ冷たくされても私は叔母を信じていたんです。誰よりも。

 

叔父が東京を離れる時振り返ることなく言いました。

『俺はお前に憎まれても憎まれてもしょうがないと思ってる

それをバネにしてこれから生きていきなさい』

 

話がすんで去ろうとする私に叔母は

叔父が幼少時の私を抱っこした写真を見せて

悲しげに何か言いたそうだったけど…

 

『今までお世話になりありがとうございました』

最後の感謝だけを残し、

あれからずっと連絡を取ることはありません。

何が起きても。

 

確かなことは叔父の言葉の通り何が起きても

たくましく生きてきました。

 

 

間もなくして破天荒な人生を過ごす夢狂さんと巡り合った。

それからの10数年が私にとって青春の日々

いろんな場所へ出向き、様々な人を一緒に見つめた。

40種以上の仕事をしてきた夢狂さん。話題の途切れぬ不思議な存在。

 

危機ばかりの日々でしたが中々ない経験となり私を強く支えています。

        

                                                                               YukiTachibana